updated 2017/03/14
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Jeans Design
021

ジーンズ縫製 (1)

どんな製品でもパターンだけでシルエットはでき上がるものでなく、半分以上は縫製での表現力だと常々思います。今回の縫製において一番難しいと感じたところは股下と股ぐりの縫いでした。この2箇所は、縫い方次第でシルエットが変わり、上がりの差がはっきりでるところと痛感させられました。

ジーンズ工場では巻き縫いや環縫いミシンなど機械化された行程が多くあり、中間プレスもありません。今回のサンプルは本縫いミシンと2本針ロックのみで縫い上げましたので、実際の工程とはかなりの違いがあります。一枚縫いの工程ですが簡単に縫製手順をまとめてみました。

完成パーツリスト
1.左前ジーンズ   

2.右前ジーンズ  

3.後ジーンズ     

4.後ヨーク     

5.ポケット袋布  

6.ポケット当布  

7.右コインポケット布 

8.アウトポケット布  

9.上前見返し     

10.持ち出し布     

11.べルト        

12.べルト通し布     

表地1枚

表地1枚

表地2枚

表地2枚

スレキ2枚

表地2枚

表1枚

表地2枚

表地1枚

表地1枚

表地2枚

表1枚

●主な仕様個所と縫い代巾

脇:ロック+環縫い(1.2c巾)

股下:インターロック(1.2c巾) または巻き縫い(前1cと後2c巾)

後股ぐり:巻き縫い(左右1.5c巾) これにより、後接ぎ位置は下前側に5?ずれる。

前股ぐり:2本針ステッチ(1c巾) または巻き縫い風の折り伏せ縫い(左1c、右1.5c) 

後ヨークつけ:巻き縫い(ヨーク2c、後身頃ヨークつけ1c)

前ポケットつけ線:本縫い(0.8c巾)

ベルトつけ:1c〜1.2c

アウトポケット周り:1c〜2c

●巻き縫いでの後中心でのずれ
後股ぐりの縫い代は本来は上前側に1c、下前側には2cの縫い代がつきますが、パターンを1枚にするために縫い代は左右ともに1.5cにしている場合が多いです。これは後ウエスト左右の寸法を測るとわかります。この1.5cの縫い代つけにした場合に上図のようにパターン上の後中心よりも5ミリ下前側に接ぎ位置がずれます。
●縫い代角のつけ方

デニムの縫い代角は意外にも直角や反転ではなく、延長タイプになっているところがほとんどです。ですからたとえば後ヨークつけなどは縫い代裁ち端同士を合わせるとかなりの寸法差となります。これは実際に巻き縫いしているところを見ても、その差が特に支障となっている様子はなく、ずれは発生していませんでした。唯一、縫い代をカットしているところは後アウトポケット、コインポケットの上両端の縫い代と、股下側(巻き縫い仕様)の裾縫い代に見られ、厚みを少なくしています。

●ノッチ

基本的には洗い加工時のほつれが心配なため、切り込みノッチはいれません。ただし、前ポケットつけ止りは印が必要なためノッチを当て布に入れます。ここは当て布縫い代が身頃と袋布の間にはいることでほつれの心配がないからです。しかし最近の傾向としてシルエットを重視したジーンズでは股下、脇にノッチが入る場合が多くなっています

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