updated 2017/02/19
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BRICOLAGE
パネル線のイセを考える 4
012
ウエストダーツとバストダーツが展開された中心身頃のパネル線
最初の疑問に戻りますが、後ろのパネル線は中心身頃側が基本寸法でした。
では前身頃はどうでしょうか。
前中心身頃はウエストダーツとバストダーツが展開されているため、距離が長くなっています。
ですから、前脇身頃の寸法が基本となるということになります。
それを後ろパネル線と同じように、展開された
前中心身頃のパネル線の距離に合わせて、前脇身頃の距離を長くすることは理にかなっていないわけです。

前袖ぐりへと開いたパネル形状は肩丈を短くするものなのか?
前袖ぐりに向かってパネル線がダーツ状に開いたパターンは、右図のように必ずイセ量(バストダーツ移動量)があるはずですが、イセを単純に少なくしたまま、前肩丈を短くする理由でこうした形状をとっているパターンはないでしょうか?
前肩丈を短くすることと、バストダーツを展開して右図のような形状になるのとはまったく意味が異なってきます。
肩丈を短くすることをパネルの切り替え線上で行うことは寸法差がおのずと増え、それは、バストダーツの展開で発生したイセとは異なるシルエットが現れると思います。

パネル構造においての寸法差を考える場合、その寸法差だけにとらわれるのではなく、パターンの形状が何を現しているのかを検証することが如何に大事かと、(いつも思うことですが)今回の検証を通して、再度痛感させられました。

検証をすることは、さらなる疑問とぶつかり、収拾がつかなくなること、この上なしという状況に陥りやすいものです。
それでも、それ以上に自分の力量を再確認し、さらなる可能性を探り、自分の世界を広げられるかもという、魅力を感じる故に、いくらかでもやれることはやっていきたいと素直に思うばかりです。

おしまい

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