updated 2017/04/04
■TOP ■List ■Jeans Design ■Back body Design ■sewing ■BRICOLAGE ■Mail
Jeans Design
008

股ぐりの不思議 (2

●股ぐり形状

二つの紙貼り展開を見てください。

上は前回の紙貼り展開の完成図から股ぐり寸法に合わせて股下を展開させた状態のものです。

そのためワタリ基準線上での開き量が多くなっています。

下はワタリ基準線上での開き量をゼロとして股ぐり寸法を股下側で短くしたものです。

また裾巾も全体のバランスに合わせて裾を開かない展開方法にしています。

股ぐり寸法を変えずにその反動をワタリ基準線での横巾の開きと鼠径溝線、殿溝線上の丈方向の重なりにもってきたもの
ワタリ基準線上での開きをゼロにしてその反動を股ぐり寸法のカットと鼠径溝線、殿溝線上でのタテの重なりにもってきたもの                                                                

●カーブの性質

後股ぐりカーブは上展開図の方がゆるやかで、下展開図の方がL字に近いカーブになっています。

これはワタリ基準線と殿溝線上で上図のような展開をしたことにより、股上丈は深くなり、また股下交点位置が下がってきます。

しかし股ぐり寸法は変わらないため股ぐりカーブ線がゆるやかに変化していきます。

そしてこの違いは007でお話したことと同じようにワタリ基準線から股下までの面のみの変化によって起きているのです。

赤:A

青:B

●前後のクロッチ位置

クロッチとは股下交点の位置をさします。

このクロッチ点の前後の位置関係をみてください。

ヨコ方向の基準線の股上線からの距離が前後でかなり違っています。後がかなり下がっています。

パターン設計時でもよく後股ぐりを前に対して下げますが、これも同じ意味なのでしょうか。

下写真は股上と裾巾が同寸に設定した紙貼り展開図です。

前後のクロッチ点の高さは同じ位置になっています。

股上巾と裾巾が同寸の場合には、股下面が平行に移動するため、平面上でのクロッチ点は前後が同じ位置になります。

(ただし、生地の重みやダレによってこの前後の位置は変わる場合があります)

上展開図は股上巾と裾巾が違うため、その差寸によって内股面が斜めに展開されていきます。

また股下線が前後のワタリ巾の真中でないため、後側の倒れ方が前と同じ開き量でも多くなります。

back page
next page

All right reseved Copyright(C)2003. iwaps.com
当サイトに掲載されたテキストや画像、パターンを許可なく転載することを禁じます